★猫丸しりいず第127回

●猫丸しりいず第127回

◎セーヴェルー:「ペールギュント」組曲第1番&第2番、交響曲第6番「哀しみ」他
 
 アレクサンドル・ドミトリエフ指揮 スタヴァンゲル交響楽団
(BIS CD762)
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 以前この「猫丸」で既に述べたが、「北欧のクラシック音楽」はグリーグ、シベリウス、ニールセンという3巨頭にあまりに人気、関心が集中しすぎていて、それ以外の作曲家の数多い魅力的な作品が日の目を見ていないのがあまりに惜しい。
 
 今回のテーマはノルウェーの作曲家、ハラール・セーヴェルー(1897~1992)。グリーグと同じベルゲン出身で、9曲の交響曲や多数のピアノ曲、管弦楽曲等を遺し、1992年に死去すると何と葬儀が国葬で行なわれた(音楽家としては何と大先輩のグリーグ以来の事であったらしい)。それほどまでにノルウェー国民から敬愛された大物であるにもかかわらず、彼の作品は(少なくとも日本では)全然と言って良い程知られていない。
 
彼がこれほどノルウェー国民から敬愛されたのは、第2次大戦中この国がナチス・ドイツに占領された際、その事への怒りと抵抗を音楽によって示し、国民を大いに鼓舞したからであろう。「抵抗のバラード」や5番から7番までの3つの交響曲がそれらの作品。ご紹介のBIS盤に収録されている「6番」は、ナチスに蹂躙される祖国への嘆きと共に、侵略に決して屈しない強靭な意志をも感じさせる非常に印象深い作品だ。
 
彼の音楽は決して聴きづらいものでは無く、モダンさと素朴な感じ、コワモテと飄々とした感じがない交ぜになったようなそのユニークな作品には独特の魅力がある。
セーヴェルーに初めて接する方におススメしたいのが、「ペールギュント」。言うまでも無く、イプセンとグリーグというノルウェーの2人の大先輩による大名作が既に存在した中、セーヴェルーは全く新たな視点からこの作品に挑む事となる(1948年の作品)。
 
グリーグの名作に関しては、イプセンの作品に付けた音楽としてはあまりにロマンティックでは?という批判もあったようで、もっとイプセンの原作のノリに近い「人間臭いペール」が作れないか?という観点から生まれたのが、このセーヴェルー版の「ペールギュント」との事。聴いてみるとこれが本当に面白い。「美男美女のスターが活躍する映画」みたいなグリーグ版に比べ、セーヴェルー版はもっと素朴で土臭く、「民話的」な色彩。その飄々とした味わいや音楽運び、独特なオーケストレーションは実に面白く「ゲゲゲの鬼太郎 ノルウェー版」みたいな味わいがある。「よりノルウェー的」という観点から見ると、むしろグリーグの作品より優れているのでは・・と思える程だ。
 
セーヴェルーの管弦楽作品は、BISからこの盤を含め数枚のシリーズが出ている。北海油田の基地として知られるノルウェーの「石油の街」スタヴァンゲルのオーケストラも好演で、おススメだ。北欧音楽や近現代の管弦楽曲が好きな方、是非「もう一つのペール」をご賞味あれ!まだまだ知られざる傑作が目白押しの北欧音楽。次は誰を登場させようかな・・・

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