★猫丸しりいず第134回

●猫丸しりいず第134回
 
◎ミヨー:世界の創造
 
 ヴァーツラフ・ノイマン指揮 プラハ交響楽団
(国内DENON/SUPRAPHON COCO73195)
 
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クラシック音楽界には、その余りに個性的な音づくりが「ナントカ系」みたいな「分類」を許さない、相撲で言えば「一代年寄」的な存在の大作曲家が存在する。その中でも私が「三大巨頭」と位置付けるメンバーを今回から順次ご紹介。
 
 第1号はダリウス・ミヨー(1892~1974)。彼の音楽との初めての出会いは中学生の時、
FMで流れていた「屋根の上の牛」。「クラシック音楽って、ざっとこんなもんだ」とわかったようなつもりになっていた私の固定観念を根底から破壊するパワーと彩りに満ちたその曲に、私は頭をブン殴られたような衝撃を受け、曲が終わるや否やチャリンコをカッ飛ばして、当時自宅に一番近いクラシックレコード店だったダイエーの碑文谷店に急行。ハアハア言いながらバーンスタイン指揮のEMI盤を購入。この時の事は、30年以上経った今でも鮮明に覚えている。多調、復調を用いた不可思議な響きを持ち、楽しげなのにどこか哀調を帯びたミヨーの作品は、まさに(正しい意味で)「オンリーワン」の魅力に溢れている。
 
彼の代表作の一つが、ニューヨーク・ハーレムで聴いたジャズに大きな影響を受けて生み出された「世界の創造」。1923年の作品・・・という事は、あの「ラプソディ・イン・ブルー」より1年先輩という事だ。天地創造の物語を素材に、20人足らずの小編成で演奏されるこの名曲。奏者の技量やセンスが白日のもとに晒されてしまう中々の難曲である。
 
前述のバーンスタイン盤の他、ミュンシュやレーグナー等の名演もあるが、ここは矢張りヘソ曲がりの猫丸ゆえ、大穴盤をご紹介する事としたい。それが1962年録音のノイマン盤。ノイマン(1920~1995)は生前NHK響に何度も客演し、私も彼のステージには多く接した。端正でハッタリの無いこの名匠の芸風とガーシュウィンやミヨーの作品が全く結びつかず、「こりゃ珍盤だ」という興味本位で入手したこの一枚。良い意味での大誤算。実にジャジーな感覚に溢れた名演奏なのだ。
 
中でも素晴らしいのが「第4部」の冒頭の長いクラリネット・ソロ(10分34秒~)。軽くヴィブラートのかかった東欧の奏者らしい音色も良いのだが、演奏の「スイング感」がまさに絶妙。思わず拍手したくなる快演なのである。この盤、カップリングのガーシュウィンの「キューバ序曲」(この曲も私の超愛好曲)も実に「はじけた」名演奏で、驚きの連続。国内初CD化・・との事だが、よくぞこの音源を・・・と企画の方に感謝を捧げたい逸品である。
 
作品番号にして何と400以上・・という多作家の彼。その膨大な作品群は玉石混交という感は否めないが、それにしても日本で親しまれている彼の作品はそれらのホンの「一つまみ」という状況なのは惜しい。まさに奇想天外&シュール系怪作「男とその欲望」や、乗り物好きには見逃せない「青列車(ル・トラン・ブルー)」、「6つの小交響曲」等々、この人ならではのユニークな傑作がまだまだあるだけに残念だ。
そう言えば、以前「猫丸」で採り上げた旧約聖書がネタのコラボ楽曲「創世記」にも彼は参加しているが、その手の「コラボ系」「委嘱系」と分類可能な作品がミヨーには多い。
そういうイヴェントが好きな男だったのか、はたまた「頼む」と言われると引き受けてしまう性格だったのか・・・。これまたミヨーらしい。
 
さて、次回は超個性派3大巨頭の第2号。ミヨーにも所縁の深いラテンの国の出身で、 彼と同じく多作家で・・・と言うと、アッと、もうばれちゃったかな? それが誰だか・・・
あとは次回をお待ち下され。

 

 

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