★猫丸しりいず第142回

★猫丸しりいず第142回

◎ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番

フー・ツォン(P) ムハイ・タン指揮 シンフォニア・ヴァルソヴィア
(ベルギー TARENT  SRM025LP  ※LP)

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「アナログ・レコードの復権」という話題を最近耳にする機会が増えた。

CDが本格的に普及したのは(この「猫丸」でも以前触れたが)私が大学生の頃で、私はそういう意味では「最後のアナログ世代」である。

CDが登場した時は、その鮮明な音質や高機能に大きな衝撃を受け、アナログレコードは早晩「骨董品」の類になってしまうだろう・・と私は確信したものだ(実際CDの登場当時はそういう論調が支配的だったように記憶している)。ところが、実際はCDの出現から四半世紀が経った今でも(市場規模はCDに遠く及ばないとは言え)アナログレコードはしぶとく生き残っている。いや、それどころかレコード全盛の時代を知らない若い世代の間でも、最近アナログ盤独自の魅力に惹かれる人が増えているのだと言う。

実際、私も職場でアナログレコードに日々接してつくづく感じるのは、アナログレコードにはCDとは全く異なる魅力があり、それは「利便性」に駆逐される類のものでは無いという事だ。状態が良ければ50~60年前のレコードでもアッと驚く素晴らしい音を聴かせてくれる。特に、アナログレコードで聴かれる事を前提とした時代の録音は、CD化された時にありがちな不自然さや窮屈感が無く、実に伸び伸びとした良い音で鳴るのには驚く。

アナログの復権という情勢を反映してか、最近は「LPの新譜」もいろいろ現れるようになっている。そんな中から、我が国にもファンの多いピアノの巨匠フー・ツォンの盤をご紹介。

フー・ツォン(1934~)は上海出身。同世代の小澤征爾らと共に、世界的に活躍する東洋人演奏家の先駆けとなった偉大なピアニスト。1955年のショパン・コンクールに入賞。しかしその後中国で起こった文化大革命で、文学者だった彼の父は母と共に自殺に追い込まれ、フー・ツォン自身も祖国への帰還の道を閉ざされるという大きな苦難に巻き込まれる。その後、彼はイギリスを拠点にして活躍。その名声、実力の割に録音の数は多くなく、その分一つ一つの録音が貴重であるが、今回ご紹介の盤は彼にとって最重要なレパートリーであるショパンの作品、2曲の協奏曲をワルシャワのオケと共演したもの(1989年の録音)。全く奇をてらわないオーソドックスな表現ながら、その演奏の味わいは「サスガ!」という他
無く、またアナログならではの落ち着いた響きが誠に快い。

尚、共演指揮者のムハイ・タンも確かツォンと同じ上海出身ではなかったか。私の記憶に誤りがなければ、カラヤンに才能を見出されてベルリン・フィルにも客演、その後ヨーロッパを中心に活躍しているベテランだったと思う。日本のオケにも客演し、聴き手に大きなインパクトを与えている。中国出身のクラシック演奏家の「大御所」と言える2人の共演という、実にマニア心をくすぐる録音でもある。

ちなみに当新宿クラシック館のレコードコーナーでも、この盤は好評販売中!!
ご試聴用の盤もご用意いたしておりますので、是非「味見」を・・・
それにしても、登場当初は栄華を誇ったCDも、今やパッケージメディアそのものの衰退と共に凋落の一途。ひょっとしたら、アナログレコードの方が永く生き続ける事になるのでは・・・という気さえしてしまう。
ああ、諸行無常。

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