猫丸、高級オーディオを試聴するの巻

猫丸しりいず第17回     

特別篇
「猫丸、高級オーディオを試聴するの巻」 

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音楽好きには、同時にオーディオ・ファンであって、
ハードへの投資と手間を惜しまない人と、逆に、ハードには丸で関心が無く、
ソフト収集にお金をかける事に専念する人に分かれるような気がする。     

今回は長編なので「猫丸レポートの続きを読む」をクリック!⇒


ちなみに私は、後者の典型である。  
オーディオに多額のお金をかけられない・・という、現実的、経済的な理由もあるが、

もっと大きな理由が

「CDやレコードは、再現芸術にすぎず、どんなにハードにお金を
かけたところで所詮ナマの音では無いのだから、感銘度に違いが生ずる筈など無い」

という「偏見」を持っていた事である。     

「持っていた」

と、あえて過去形で書いたのは、最近それを「偏見」と気付かせる、
貴重な経験をしたからである。     

当新宿クラシック館にご来店いただいた事のある方はご存知かもしれないが、
当店に隣接して「オーディオユニオン新宿店」というオーディオ店がある。  
このたび、そこの試聴室に新たなアンプ、プレーヤー、スピーカーが入り、
なぜだか「オーディオ音痴」のこの私が、試聴をする・・という事になってしまったのだ。

今回は、その試聴についてリポートさせていただく。     
ちなみに、今回試聴した機材のラインナップは以下の通り。
     
◎naim CDプレーヤー NAIT5i-2  
◎naim インテグレーテッドアンプ NAIT5i-2  
◎naim インテグレーテッドアンプ SUPERNAIT  
◎Stirling Broadcast スピーカーシステム LS3/5a V2     

全て英国製。naimは、以前からオーディオユニオンで取扱しているが、
スピーカーは最近日本に紹介されたシステムとの事。     
トータル価格は、私の日常使っているごく「庶民的」なコンポのなんと20倍以上!

オーディオに関する知識がほぼ皆無の私には、
正直この「名前」だけではどれだけ凄い品物なのか、全く見当がつかない。
それに、見た目も実にシンプルかつコンパクトで、「どうだ!凄いんだぞ!」
みたいな威圧感はまるで感じられず、

正直聴く前は「これで本当に違いが出るのだろうか?」と、
失礼ながら半信半疑の状態であった。     

しかし・・・

まさに、百聞は「一聴」にしかず、であった。

その詳細を、以下にリポートしたい。 試聴に用いたCDは下記の通りである。     

①マーラー:交響曲第8番 インバル指揮 フランクフルト放送響(デンオン)
  
②デュカス:「ラ・ぺリ」のファンファーレ  ファリャ:三角帽子 
ブーレーズ指揮 ニューヨーク・フィル(SONY)  

③チャイコフスキー:1812年 ドラティ指揮 ミネアポリス響(マーキュリー)  

④シューベルト:即興曲 レオンスカヤ(Pf)(テルデック)  

⑤「バラッズ」~ナット・キング・コール(キャピトル)     

①のマーラーは、確か、このバカでかい編成の曲を「ワン・ポイント」で録った・・
という事で、話題を呼んだ1枚。この手の試聴には、まさに「うってつけ」である。 

 冒頭、オルガンの轟音、続いて「来たれ!創造主よ!」と入る合唱、
ティンパニの一打と金管の炸裂、そして弦が加わり・・と、
ここまで聴いて「ウーム・・ これは凄いかも・・」と思わず唸ってしまった。     

これらのパーツが、ただ「順番に出てきました」という感じでなく、
広大なホールの空間の中で「各々の物理的、音楽的な位置を
しっかりと主張しながら積み重なっていく」のである。

ナマの演奏を聴くのと非常に近い感触で、驚かされた。  
ヴァイオリンの分奏も、それぞれの位置から(ここがポイント)
くっきり分かれて聴こえるし、コントラバスも、何となく低音が響いてる・・

という感じでなく、まさに「弾いている音」が聞こえるのである。

それでは・・・と、
次に第1部及び第2部の終結部を聴いてみる。
巨大編成のオケと合唱が「フル稼働」で鳴り渡るこの場面。

どうしても音が「ひと固まり」に聴こえがちである。だが、ここでも驚かされた。

「全体」が鳴り響く・・という迫力と、
「全体」を構成するパーツ各々がしっかり聴こえるという明瞭さが、
見事に両立し ていたのである。     

私は、これまで「良い音」というのは、単に「各々のパーツが、
分離して明瞭に聴こえる」事とカン違いしていたようだ。  

オーケストラ全体がガンガン鳴り響く中で、
個々の楽器の音がしっかり聴こえる・・・
「この録音には、実際にはこれだけの情報量が入っていたのか・・」。

カンゲキである。     


しかし、それでは、マルチ録音を駆使し、
人為的にバランスをいじりまくった録音では
そういう美点は見出せないのではないか?  

そこで、60~70年代に流行した「4チャンネル録音」の代表である

②(1975年録音)を聴いてみる。  

指揮者ブーレーズの最高傑作では・・と個人的に思うこの1枚、
まずは「ぺリのファンファーレ」から聴く。①と対照的に、金管のみという小編成。
「一体、違いが出るのか?」と、またも思う。
が、これも10秒位聴いただけで、「ヤラレタ」という感じであった。       

表現がなかなか難しいのだが、個々の音に「芯」が入ってる・・という感じで、
音の「実在感」が凄いのである。この事は、

①のマーラーの冒頭部分のトロンボーンの音の「太さ」に既に感じていたのだが、
それぞれの楽器が、本当にそれらしい音で鳴っているのだ
(特に右側から聞こえるテューバには驚き!)。

NYPの名手た ちの演奏姿が見えるようである。 
続いて「三角帽子」の冒頭部分。
楽員たちの「オレ!オレ!」という掛け声と手拍子、カスタネットの響き、
単に「鮮明」というだけで無く、これらの「質感」が素晴らしい。
「ウ~ン、確かに手のひらや木が鳴ってるんだな」という感じ。

思わず最後まで聴いてみたくなったが、時間が無い・・。
断念。ああ、残念無念。    

お次の③は、ステレオ最初期の1958年の録音でありながら、
未だ最後に出てくる「大砲」と「鐘」の迫力でこれを凌駕するものが無いのでは・・・
と思わせる名録音。スピーカーをブッ壊しては大変なので、慎重に聴く。 

     「どうせやるなら徹底的に」という演奏者、製作者の気迫がヒシヒシと伝わるこの名盤。
50年前(!)の録音であるという事が信じ難い位、
その熱気がギンギンにスピーカーから伝わってくる。
ティンパニやシンバルの音の「立ち上がり」が素晴しい。そして、大砲の連射!。
これがまた、期待以上の凄さであった。  
「ドン!!」という衝撃音から一瞬遅れて、
内臓がビリビリと振動するような「風圧」感。
そして、音のシャワーのように降り注ぐ鐘の音の粒立ちの良さ。

コーフンで手に汗握らずにいられない。 


もう「降参です!」である。 


ここまで大音響の「鳴り物系」ばかり聴いてきたが、
「合奏」でない器楽ソロの曲や、
いわゆる「クラシック音楽」でない音源ではどうなるか?、
という興味も当然湧いてくる。  
そこで、「酒池肉林の宴会のシメのお茶漬け」ではないが、
「アッサリ系」の2枚を試してみる。

まず④、たまにワケも無く聴きたくなるレオンスカヤのシューベルト。
大編成のオケものと違って、一聴してすぐに瞠目させられるような、
劇的な違いは感じられないかも、と思った。

しかし、聴き進むにつれて、ピアニストの息づかいが自然に伝わるような心地よい音に、
ジワジワと感動が沸き起こってくる。

特に、ゆったりと 歌うような旋律が流れる
「即興曲作品90」の「第3番」では、
つい「仕事での試聴」である事も忘れて、ウットリと聞き惚れてしまった程だ。
最後は、「20世紀最高の歌手」として、私の敬愛してやまないナット・キング・コール。

代表作の「モナ・リサ」を聴く。    
曲をご存知の方はお分かりだろうが、この名曲、非常に音域が広く、
しかもその音域全てにムラの無い表現力が要求される、大変な難曲である。

これまた②と同様、「音の実在感」に驚かされる。
歌手の口の動きが見えるよう。しかもその事に伴って、
歌詞がハッキリ聴き取れるのである。

そして、全ての音域にわたってズーンと 伸びるコールの美声が、
バックのオーケストラとの絶妙なバランスのもとに響くのである。     

ちなみに今回、アンプは2種類それぞれ聴き比べた。
「SUPERNAIT」の方が、グレードが高く、価格も倍以上高い。
正直私にはそれ程決定的な違いは聴き分けられなかった。
ただ、「SUPERNAIT」の方が、より「自然な」響きに感じられた事はご報告しておく。 

当たり前の事だが、ほとんどの音楽ファンは「音響」でなく、
「音楽」を聴いている訳であるから、多少音が貧弱であったとしても、
それが「感動」を妨げる事にはならない。   それは確かだ。

しかし、「より良い音で聴くことによって、
感動がさらに増幅される事があるのだ」という事も、
また、自分なりにつかんだ事実である。
蛇足ではあるが、上記の感想は、私が日常使用している
「庶民的」ハードと比べた相対的な評価である事は、一応おことわりしておく。

日ごろから、ハイエンドな機器で音楽を楽しまれている方々には、
私が感激した事柄は「そんなの当たり前のハナシ」なのかもしれない
(羨ましい限りであるが)。  

そうではなく「高級オーディオなんて、マニアだけのもの」
と思って「食わず嫌い」の方がもしおられたら、当店でお求めのソフトを手に、
通路で直結の「オーディオユニオン」で「味見」をされては如何だろうか。  
私と同様な体験をされる方もきっとおられるだろう。
また、「ハードにおカネと手間をかける事は決して無意味な事ではない」
と思われるかもしれない。     

皆様のご来店を、私含めスタッフ一同、心よりお待ちいたしております!!

diskunion新宿classic 音圧と音量とベロシティに迫る猫丸

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