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 「聴けばわかる」的 ポリヤキンのおすすめ盤 第7回

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・復活・特別編
◎オーディオで音楽再発見!?
 
当店隣のオーディオユニオンにて入荷した
オーディオのシステムを試聴してきた。
 
ちなみに、装置は以下の通り。
前に掲載済みの当店スタッフ・猫丸の記事と同様である。
 
・naim CDプレーヤー CD5i-2   
・naim インテグレーテッドアンプ NAIT5i-2   
・Stirling Broadcast スピーカーシステム LS3/5a V2      
 
つづきはこちらをクリック!⇒⇒⇒

 
 
すべて英国製のシステム。
試聴スピーカーはBBC(英国放送協会)モニタースピーカー規格に基づく設計のもので、スピーカー独特のクセは少なそうだ。
 
英国オーディオはEMIやデッカなどの自国レーベルと共に発展し、
米国や日本と同様に数々のメーカーが存在しているオーディオ大国。
さらに、タンノイやB&W、リンやガラードなどクラシック愛好家に好まれるメーカーが多い国でもある。
伝統を大事にするお国柄を反映してか、落ち着きがあり品のある音を提供してくれるイメージが強い。
 
試聴に使用したCDは以下の通り。
 
①シェリング バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ペーター・リバール(第2VN) PHILIPS
②クライスラー 自作自演集 RCA
③戸田弥生 イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ EXTON
④レ・ミュジシャン ショーソン:ピアノ5重奏曲 Harmonia Mundi
 
すべての盤を聴いて共通の感想は、
「CDなのにとにかく響きが良い」
筆者はアナログLPも聴いていて、普段よりアナログ再生の良さは全体を包み込む心地よい響きにあり、
対してCDは音の細部にまで切り込んだリアリティを得た代償に、響きの良さはアナログに一歩譲っていると感じている。
 
このシステムが素晴らしいところは、「あえて」この中間を行っていることである。
おそらく、オーディオ的には「中途半端」と言われかねない路線。
原音をとことん追求する現代最先鋭の音でもなく、かといってアナログ懐古主義的なひたすら懐かしい音でもない。
 
それぞれのCDを聴いて感じた印象を、漠然ながら記してみた。
 
①ではシェリングとリバール、二人の名ヴァイオリニストの共演。1965年録音
シェリングの輝かしい音が目立ちまくり、伴奏オケのコンマスでもあるリバールが
オケに同化しているような印象を受けるのだが、この装置では様相が違っていた・・・
 
モダン楽器のバロック演奏のお手本のような響きが全体を包み込み心地よい。
その中でリバールは時にはシェリングと渡り合い、時にはオケともにシェリングのソロを守り立てる。
場面場面で絶妙な対応をしていることが手に取るように判るのだ。
 
②はクライスラー全盛期のRCAビクター録音、1920年代のSP復刻盤である。
クライスラーは「愛の喜び」「美しきロスマリン」等の、誰もが一度は耳にしたことがあるヴァイオリン曲の作曲家であり、20世紀前半を代表する名演奏家であった。

ここで驚くべき事はノイズの質である。
SP復刻なので当然のように音楽と共に大量ノイズがスピーカーから出てくるのだが、
ノイズの質が柔らかいのだ。耳障りでない。

とかくSP復刻のCDは、CD故にノイズもリアルに再生してしまい、
音楽とノイズが主客逆転した苦行状態になりかねないのだが、その様な事はない。

最高級の蓄音機で鳴らしているような「懐かしい」音と優しいメロディがあふれてくる。
このシステムなら、世代を超えて語り継がれるクライスラーの「ノスタルジー」を誰もが実感できるだろう。
 
③は2004年録音、ヴァイオリン1本の無伴奏曲 
楽器の近くにマイクが置かれていて、奏者のわずかな動きや息遣いも手に取るように判る録音。

まさに眼前で、
「きいていて恐ろしくなるほどの緊迫感」
「純度の高い歌の輝き」(ライナーノート、文・黒田恭一)
の演奏が展開される。

あまりに凄過ぎる、言葉を失う演奏とは正にこの事。
正直録音をあれこれ言うようなCDではない。

が、装置しだいでは痛々しい直接音だけになりかねない再生装置泣かせのCDであるだろう。
だが、このシステムは直接音を聴き手に叩きつける事はせず、
ホールで録音している事を実感させる響きを提供し、
過剰な緊張を聴き手に与えずに音楽に没頭させてくれる。
 
④はフランスの名手達によるフランス音楽の名演
ショーソンの室内楽の魅力は、むせ返るほどのロマンティックなメロディと、ハーモニーの繊細さ。
正直、同じフランスのフォーレやラヴェル、ドビュッシーの室内楽と同様の扱いをされてしかるべき作品なのだが・・・・
緩やかな2楽章ではどこまでもロマンティックな旋律の中で、各パートがからみ合い響き合う。
ショーソンの音楽の真骨頂をこのシステムは存分に味わせてくれる。
しかし、それだけではなかった。その響きの中にある奏者の張り詰めた緊張感まで聴き取れるのだ。
どこまでも高揚するメロディと、ほんの少しの違いで台無しになるハーモニー。
心と技にギリギリの調和を要求する緊張感がショーソンの魅力であり、
それ故に奏者を選び録音に恵まれない曲なのだという事まで認識させてくれた。
 
 
他にも合計10枚程度試聴をしたが、
もう何十回も聞いた盤なのにも関わらず、どれを聴いても新しい発見があった。
とにかく流れてくる音楽が新鮮で楽しくて仕方ない。
ソフト自体の魅力もさることながら、幅広い録音年代や編成に対応し、
聴き慣れたソフトの新たな魅力を引き出したシステムの力が大きい事は間違いない。
 
しかし、このシステムの音の特徴を訊かれると、
「響きが良い」程度の答えしかできない。
 
でも、それが良いのである。
クラシック音楽という大海の中でひたすらソフトを買い続け、
予算が限られている人間がオーディオに要求することは、一言で済む。
 
「音楽を気持ちよく聴きたい。」
 
この条件を満たしてくれれば、高音が際限なく伸びなくても、低音がズンズン言わなくても、
SACDだろうがLPレコードだろうが、何でもいいのである。
 
だが、結局のところオーディオも「聴けばわかる」的なもので、
やっぱり実際に聴いていただくしかない。
 
「クラシック音楽」という広大な世界を旅してきた皆様に、さらに豊かな音楽体験を可能にする
「オーディオ」という新世界を是非体験していただきたい。
 
幸いな事に、当店の隣はオーディオユニオンである。
購入いただいたソフトを聴いてみるのも良し、愛聴盤を聴くのも良し。
お気軽に申しつけいただきたい。
 
私を含めスタッフ一同、心よりお待ちしております!

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