☆NECOMALU 20th ANNIVERSARY☆

猫丸しりいず 第20回
 
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮 
パリ管弦楽団 (国内EMI TOCE14244)

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毎回バカな事ばかり書いている、当「猫丸しりいず」も、早20回目。
これを機に、「どんな作曲家たちを俎上に上げてきたのか」を調べてみて、
意外な事に気が付いた。
 
ロシア、ソ連系の作曲家が「主役」としてホトンドとりあげられていないのである。
クラシック音楽のメインストリームとは言い難いイギリスの作品が、
4回もとりあげられているのにも関わらず・・である。

自他共に許す「ロシア・ソ連系好き」が、これではイカン!!

という事で、


今回は私の大好きな「シェエラザード」がテーマである。
それにしても、クラシックオタクと自認する人間が
「俺ァ、シェエラザードが好きだ!」と告白する事は、

40代オヤヂが
「俺、プリンが大好きなんだ・・」



カミングアウトするのと同等な勇気を要する・・

ように思う(そんな私はプリン好き♪)。


でもこの「シェエラザード」、本当に不思議な魅力を持つ曲だ。
正直、聴く前は「またこの曲か・・」と、あまり気が乗らずに聴き始めても、
すぐに引き込まれてしまうのである。

基本的にはシンプルな構造でありながら、
実に幅広い表現に堪えられる懐の深さもこの曲の凄さだ。
実際、「白装束の凛々しい女剣士」みたいなコンドラシン盤(PHILIPS)から、
「悩殺ポーズ決めまくりのキャバクラ嬢系」ストコフスキー盤(DECCA)まで、
様々なシェエラザード妃を聴く事が出来、
しかもそれぞれが
独自の面白さを持っているのだ
 
名盤ひしめく中から、どれを「代表選手」とするか非常に迷った。
全てにバランスがとれた大名演のコンドラシンでも良かったが、
それではヘソ曲がりの猫丸としては不覚である。

そこで、滅茶苦茶アクの強いロストロ盤のご登場となった。

この録音、ロストロポーヴィッチが指揮者としての活動を
本格化させた最初期のもので、「一丁やったるか!」というロストロ先生の声が
聞こえてきそうな位、「ヤル気満々」の微笑ましい1枚である。

シャガールを用いたジャケットも、とても印象的だ。
(なんと!!このジャケットの絵画は「引用」ではなく、
シャガールからロストロさんに、この録音のために!直接献呈されたものだそうだ。
ロストロ人脈恐るべし)

冒頭の金管他による、シャーリアル王の主題。
これがとてつもない「大音声」で、思わずのけぞってしまう。
「王様、そんなに怒っちゃダメです」と、
僭越ながら「ご指導」したくなってしまう程の勢いである。

その後もコテコテの表現がずーーっと続いた挙句、
終楽章の船の難破の場面でトドメを刺される。
これがまた、風速25メートル位で良いところを、
45メートル位の「大暴風雨」にしてしまっているのが爆笑もの。
「こんな嵐に船を出すな!!」
とまた「ご指導」したくなってしまう。

というワケで、


「誰にでもお薦め」というワケにはいかないこの1枚ではあるが、
独自の魅力満載なのもまた事実。
とにかく、パリ管の音が非常に魅力的なのだ。
これが録音された1974年は、パリ管が「昔ながらのフランスのオケ」らしい
音を出していた最後の時代である
(翌年のバレンボイムの指揮者着任で「普通にうまいオケ」にかわってしまった)。

60~70年代の仏EMI(パテ)の録音が大好きな自分にとっては、その点でも外せない。
しかも録音エンジニアは、パテ好きにはお馴染みのポール・ヴァヴァスュールなのに、
プロデューサーが、バルビローリの録音を多く手がけた
ロナルド・キンロック・アンダーソンという非常に珍しい顔合わせの
製作スタッフになっている事にも大いにそそられる1枚である。
 
あまり細かいことを言わずに、ロストロさんの悪ノリぶりを笑って楽しめる、
寛容な(?)ファンの方にはご一聴をおススメしたい。

※余談ながら、このCDを出している日本のEMIは、
この曲に関して「シェエラザード」ではなく
「シェヘラザード」という表記を頑固なまでに守って来た。
LP時代からずっと続いていたところを見ると、EMIの伝統らしい。

当然、この盤の表記も「シェヘラザード」・・と思いきや、ビックリ仰天。
なんと一般的な「シェエラザード」という表記に変わってしまっているではないか。
一体何があったのか分からないが、「他と同じでない」事が大好きな私としては、

一抹の寂しさを感じてしまった。
 
この盤をはじめ、ビーチャムやスヴェトラーノフ、マタチッチ等、
EMIの「シェヘラザード」には個性派が多く、それらの名演とこのEMI独自の表記は、
私の中では分かちがたく結びついていたので、
この改変は個人的には非常に残念に思う。

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