猫丸しりいず第24回 「ニールセンとビートたけし」

猫丸しりいず 
第24回 「ニールセンとビートたけし」

ニールセン:交響曲第3番・第6番  
パーヴォ・ベルグルンド指揮 デンマーク王立管弦楽団  
(国内RCA BVCC31/廃盤)
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ニールセン:フルート協奏曲
キース・バークルス指揮 ボーンマス交響楽団 
デイヴィス(Fl)  (NAXOS 8554189)
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さて、ここで問題です。

デンマークの大作曲家カール・ニールセン(1865~1931)とビートたけし。
一見唐突なこの組み合わせ。  
しかし、この二人には一つの共通点があります。  
それは一体何でしょうか??  

その答えは、最後に明かすとして・・・  

私が最初に触れたニールセンの作品は、
ご多聞にもれず「交響曲第4番」。
同じ北欧の作曲家でも、グリーグやシベリウスとは丸で異なる、
異様にホットな音楽に 驚かされた。
(ちなみにニールセンとシベリウスは同じ1865年生まれである)  

ニールセンの音楽の魅力は、その独特の「推進力」と「ユニークさ」にある。
「推進力」を味わおうとするなら、何と言っても「交響曲第3番」の第1楽章であろう。

力強い和音が

「これでもか!」

と言わんばかりに20回近くも連打される冒頭部分にブッ飛ばされ、
続く主部の、まさに「音の奔流」と表現する他ない凄まじい勢いに圧倒されてしまう。

「もう誰にも止められない!」という感じで、
何かにつかまっていないと押し流されそうだ。
ブラームスの「交響曲第1番」のそれを連想させる、
雄大な終楽章も聴きものである。

「ユニーク」と言えば、まずは「交響曲第6番」
「第5番」までの「勢いギンギン路線」から全く遊離した、
人を喰ったような「脱力系」交響曲。

打楽器が主役の奇っ怪な第2楽章や、様々な楽想が支離滅裂に出入りし、
ティンパニの連打と終止和音で「さあ終わったか」と思いきや、
ファゴットだけが「ブーッ」と屁のような音を残してようやく終わり・・という終楽章など、
抱 腹絶倒の珍交響曲である。

しかし、この曲の更に上を行くユニークな作品が、「フルート協奏曲」。
大体、フルート協奏曲と言えばモーツァルトやイベールの例を引くまでもなく、
「典雅」「軽快」といったイメージがある。

ところがニールセンは、何とトロンボーンとティンパニという、
最も「フルート的世界」からかけ離れた感じの楽器を

「準ソリスト」として引き擦り込んでしまい、フルートとの「異種格闘技」みたいな
面白すぎる協奏曲を作ってしまったのだ。

誰にでも出来る発想では無い。
初めてこの曲を聴いた時、私は感激のあまり

「ニールセンさん、
こんな曲を作れるのアンタだけだよ!!」


と叫びたくなってしまった程である。

「普通」が嫌いな「アマノジャク」
のあなたには、
是非おススメしたい名作である。


さて、そろそろ冒頭のクイズ?の答えを発表しよう。
ニールセンと、たけし。

この二人の共通点は、その生い立ちにある。
実は、二人とも「ペンキ職人の息子」として、この世に生を受けたのだ。

貧しい家庭に生まれながら、その特異な才能を生かして、
唯一無二のユニークな「芸風」を築き上げた点も共通している。

母国デンマークでは、お札(100デンマーク・クローネ札)
の肖像にまでなっている国民的作曲家ニールセン。
彼は、軍楽隊に入った後、音楽院で音楽理論とヴァイオリンを学んでいるものの、
実は作曲を公式に学んだ事は無い。

彼の音楽が好きな方なら、「交響曲第5番」や「クラリネット協奏曲」など、
軍楽隊の影響が感じられる曲をよくご存知の事だろう。

尚、ご紹介したベルグルンド指揮の「交響曲全集」は、
その鮮烈極まりない演奏で、
ブロムシュテットの新旧盤と並ぶ代表的名盤であるにもかかわらず、
国内盤はおろか、海外盤でも入手困難になってしまっているのは誠に遺憾。

当新宿クラシック館では時折中古品を見かけるが、
再発売を個人的に熱望する逸品である。

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