猫丸しりいず 第38回

猫丸しりいず 第38回  

◎ドリーブ:歌劇「ラクメ」(抜粋) 
ジョルジュ・セバスチャン指揮  
パリ・オペラ・コミーク管弦楽団  ロバン(S)他
(独DECCA 4756158) 

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◎グノー:歌劇「ファウスト」バレエ音楽    
サー・ゲオルク・ショルティ指揮 
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
(国内DECCA UCCD3787)  
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グノー「ファウスト」の、華麗、流麗なバレエ音楽。
クラシック聴き始めの子供の頃から、私の大好きな曲である。    

もともとこの歌劇の初演時には、このバレエ音楽は無かったのだが、
当時フランスのオペラ界では、オペラの中に華麗なバレエ場面を入れるのが
半ば「お約束」となっていて、それに応えるべく初演の約10年後に作曲され、
挿入されたのがこの曲である。

パリでの上演用に、バレエ場面を入れた新たなヴァージョンが追加された例は他にもあり、
ワーグナーの「タンホイザー」はその代表例として、皆様もご存知の事と思う。    

ところが最近、この曲に関する、ショッキング?な事柄を知ってしまった。  
このショルティ盤の、小倉重夫さんのライナーノーツによれば、
この「バレエ音楽」は、実はグノーの作品ではない、
という説が今では有力になっているのだそうだ。    

それでは、この名曲を作ったのは一体誰なのか?    

この説によれば、何と「コッペリア」や「シルヴィア」で知られる、
あのドリーブが「真犯人」だという事である。
もとより「学説」であるから、それが100%事実として確認されたというワケでは(多分)無い。    

でも、この連載の第11回でモーツァルトの
「交響曲第37番」をとりあげた際にも触れたが、
「本当はこの人の作品ではない」と言われてしまうと、
「そう言えばアヤシイ」という部分にいろいろ気付いてしまうのも事実。

確かにこの曲、グノーの作品にしてはあまりに華やかで、
演奏効果がありすぎるし、それ以上に「ドリーブの作品」と言われて、
「ウン、ひょっとしたらそうかも」と納得できる部分が非常に多いのだ。    

例えば、「優雅」というコトバをそのまま音楽にしたような
「金の杯」や「トロイの娘たちの踊り」、舞台上のバレリーナの動きが見えるような、
軽快で淀みの無い「クレオパトラと奴隷たちの踊り」や「鏡の踊り」等々・・・

実に滑らかで、「ギクシャク感」がまるで無く、
聴けば自然に踊りだしてしまいそうな曲を書く、
という点において実に天才的な能力を発揮したのがこのドリーブ。

その才能を見込んだ先輩グノーから、
「お前、ちょっと1曲頼むよ」と依頼されたとしても不思議ではない。
まあ真相はまだ謎であるが・・    

バレエのみならず、オペラを書いてもその流麗な持ち味を失わないドリーブ。
「鐘の歌」や「花の二重唱」で知られるオペラ「ラクメ」でも、
その持ち味は遺憾なく発揮されている。    
「蝶々夫人インド版」みたいなこのオペラ。
ヒロインが「屈辱に生きるより名誉ある死を選ぶ」という結末までそっくりなのだが、

そんな悲劇でも彼の音楽はひたすら流麗で、
プッチーニのような「コテコテ感」は無い。
ご紹介する盤は、ラクメを当たり役としたフランスの往年の美人ソプラノ、マド・ロバンによる
1952年録音のモノラル盤。私には珍しく「ジャケ買い」してしまった1枚である。

ジャケットも美しいが、モチロン演奏も良い。

ちなみにプロデューサーは、あのジョン・カルショウである。
一方の「ファウスト」のショルティ盤は、ロンドンの廉価盤LP時代から愛聴している演奏で、
ロイヤルオペラのオーケストラにとってこの曲は「お家芸」なのか、

さすがの上手さ。

ショルティのキビキビとした指揮
(ちょうどあの「指環」に取り組んでいた頃の録音)も良い。
終曲の「フリネの踊り」の猛スピードの驀進ぶりには、
思わず「この人らしい・・・」と苦笑してしまうが。    

さあ、貴方ももう一度、この「ファウストのバレエ音楽」を聴いてみませう!
一体どのような感想をお持ちにになるだろうか?

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