★猫丸しりいず 第42回

猫丸しりいず 第42回 
◎シューマン:「序曲・スケルツォとフィナーレ」 
サー・ゲオルク・ショルティ指揮 
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(国内DECCA UCCD3773)  
eac46f5a.jpeg












未知の楽曲に対し、
「聴いてみたい」という興味が芽生えるか否かを分けるポイントとして、
その曲の「タイトル」は結構大きな意味合いを持っているように思う。  

美しいものでも、ユニークなものでも「印象的なタイトル」の曲は
「一体どんな曲なんだ?」という関心が湧いてしまう。
ハイドンの交響曲「火事」とか「校長先生
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲「幽霊」なんて、
つい聴きたくなってしまうではないか(ならない?)。  

一方、あまりに素っ気無く、まるで「業務連絡」みたいなタイトルの曲には、
なかなかそういう興味は湧きにくい。
バルトークの「弦、打楽器とチェレスタのための音楽」とか、
ヒンデミットの「弦楽と金管のための演奏会用音楽」あたりが、
そちら側の代表選手と言える。

まあ、この2曲は各々の作曲家の代表作として有名だからまだ良いが、
せっかくの魅力作なのに、その素っ気無いタイトルで
地味な存在に甘んじている曲は結構多い。  

ここで今回の主賓、シューマンの登場である。
ショパンと同い年の彼は、今年生誕200年。

しかし、その事を盛んに喧伝されているショパンに比べると、
シューマンの扱いは余りに地味ではないか。
シューマン好きの私としては、彼が不憫でならない。  

シューマンの音楽を聴くと、私はつい「ダルマ落としのダルマ」とか
「積木」を連想してしまう。一見キッチリ組み上がっているように見えるが、
ちょっと手を触れるとバラバラに崩れてしまいそうな、
あの「不安定」さ。これこそシューマンの魅力と思う。  

例えば、「チェロ協奏曲」の冒頭の、
チェロの最初のソロが終わった後のオーケストラのトゥッティ。
一瞬薄日が差したかと思ったのに、すぐに黒雲が空を覆って・・という感じの
ああいう音楽を書けるのは、シューマンしか考えられない。  

そんなシューマンらしい魅力に満ちた名曲でありながら、
タイトルで大損していると個人的に思うのが、
「序曲、スケルツォとフィナーレ」。

レコード時代は、交響曲全集といっしょに録音される事も多かったが、
CD時代になってからは(CDの収録時間の都合からか?)
それも無くなり、LPからのCD化に際しても「マンフレッド序曲」との抗争?に敗れて
CD化の対象から外され・・と、最近ますます影の薄くなっているこの曲。  

交響曲の「第1番」「第4番」と同じ1841年に書かれたが、
初演時の評判が悪かったために大幅に改定し、
1846年に出版された曲で、「3楽章のシンフォニエッタ」という趣の作品である。

シューマン自身も、この曲のタイトルには色々迷ったらしく、
「組曲」とか「シンフォニエッタ」とかも候補になったようなのだが、
結局この「そのまんま」タイトルに落ち着いてしまった。

お陰で「日陰者」になってしまったばかりか、
「スケルツォとフィナーレ」という名前の「序曲」だとカン違いする人まで出てくる始末。
シューマンさん・・・  もうちょっと気の利いたタイトルに出来なかったんですか・・・  
シューマンの交響曲は好きだけど、この曲を聴いた事は無い・・という方。

それは大損である。

特に「フィナーレ」の部分は、どこを切っても「シューマン印」の大名曲。
是非ご一聴をお薦めしたい。  
前述のように、最近ますます録音の減っているこの曲。
ご紹介のショルティ盤は、この曲が単独入手できる貴重な存在であるばかりでなく、
メインのスッペの序曲集が壮年期のこの指揮者らしい
ムチャクチャな「アオリ」にウィーン・フィルがガッチリ喰らいついた快演(怪演?)を
聴かせてくれるおススメ盤である。  

diskunion新宿classic 猫丸

Entrance







Classical Broadcasting for YouTube



Topics





About


 

diskunion Link








 

















Calendar

08 2017/09 10
S M T W T F S
2
3 4 6
10 11 12 13
17 20 23
25 26 27 28 29 30

Search

カウンター

Copyright © diskunion Shinjuku Classic-Kan All Rights Reserved