猫丸しりいず 第45回「音楽食物連鎖」

猫丸しりいず 第45回「音楽食物連鎖」  

◎メシアン:異国の鳥たち 
ロリオ(P)ヴァーツラフ・ノイマン指揮 
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(国内SUPRAPHON COCO73019) 
neko001273.jpg












◎ルーセル:蜘蛛の饗宴 
ジョルジュ・プレートル指揮 
フランス国立管弦楽団
(海外EMI 6876442)    
neko001274.jpg













「鳴き声を音楽化するのに有利な動物は猫」

というネタを、この連載の第8回でとりあげた事がある。
実際、猫以外の哺乳類で「擬音」とかでは無しに、
「鳴き声を音楽化」した例はほとんど思い浮かばない。

犬がワンワン吠える様子を音楽で描いた、
カーペンターの「乳母車の冒険」などは、かなり稀少なケースと言える。    

それでは、その鳴き声が一番多く音楽に取り入れられている動物は?
と言えば、これはもう「鳥」でキマリである。    

ヨナーソンの「かっこうワルツ」を筆頭に、
鳥の声を描写した音楽は極めて多い。
ちなみに「カッコー」の鳴き声を描写するのに、
西洋音楽では「三度音程」を用いるのが「王道」なのだが、
マーラーは「巨人」の冒頭でカッコーを「四度音程」で鳴かせている。
ビミョウに鳴き方が違うので、聞き比べてみると面白い。    

ところで、鳥と「不可分」と言って良い作曲家がメシアンである。 
20世紀を代表するこの大家の作品には、とにかくやたらと鳥が出てくる。
何しろこの人、単なる「鳥の愛好家」ではなく
「鳥類学者」としての顔も持っているのだから、気合の入り方が違う。
気合が入りすぎて、かなり専門的な鳥類図鑑にしか載ってないような
珍しい鳥ばかり出てくるのには参ってしまうが・・・    

そんなメシアンの「鳥類モノ」の一つ、ピアノと管楽器、
打楽器のための「異国の鳥たち」のノイマン盤が、
最近実に久々に再発売された。

これが本当に面白かった。 

何が面白いって、この演奏での鳥たちの歌声、エラク「訛(なま)っている」のだ。    
チェコ・フィルの管楽器と言えば、その独特の温かくまろやかな音色が
実に魅力的でファンも多い。

その名手たちが、いつもの自分達の流儀を全く崩す事無く
この曲を演奏しているのだ。結果、ブーレーズ&クリーヴランド管の
「標準語でキッチリ話すアナウンサー」的演奏に対して、
鳥たちが「チェコ弁?丸出しの民宿のオバハン」みたいな鳴き方を聴かせる、
ユニークな演奏が生まれたのである。

こういうメシアンも悪くない。
「トゥランガリラ交響曲」をこの時代のこのオケで聴いてみたかった。 

では、「鳥」の餌となってしまう「虫」をネタにした作品は?  
「熊蜂の飛行」を筆頭に、「蝶々」(シューマン)「すずめばち」(ヴォーン・ウィリアムス)
などが頭に浮かぶ。しかし「昆虫モノ」と言えば、
ファーブル昆虫記を下敷きにしたルーセルの傑作「蜘蛛の饗宴」を
採り上げないワケにはいかない。    

昆虫は鳴き声をあげず、せいぜい蜂、蝉、
こおろぎ類のように「振動音」を出す方々だけ。
音楽化は中々容易でないように思えるのだが、ルーセルはお見事である。
「蟻の入場」なんて、アリの行列がチョコマカと行進する様子が目に見えるようだ
し、儚い命の代名詞みたいに言われる「かげろう」の描写も素晴らしいの一言。

この曲、ドビュッシーからの影響が強く感じられる。
「ルーセルの曲って、何かギトギト脂っぽくて苦手」という方でも、
この「蜘蛛の饗宴」は受け入れやすいのではないか。    

ちなみに今回ご紹介のEMI盤は、
クリュイタンス指揮の「交響曲第3&4番」やプレートル指揮の、
この「蜘蛛の饗宴」と「バッカスとアリアーヌ」
(いずれもオケの軽く明るい音色を生かした素晴らしい名演)など、
ルーセルの主要曲を集め、しかも安価なおススメ盤。

オマケに個人的には、CD化は絶望的と諦めていた
ダニエル・ラヴァルとジャッキャ指揮パリ管による「ピアノ協奏曲」が
思いがけず収録されていて、思わず大コーフンの一組であった!

diskunion新宿classic 猫丸

Check !!


↑↑↑新宿クラシック館以外の新宿エリア各店情報はこちら!↑↑↑

Entrance







Topics






About


 

diskunion Link








 

















Calendar

10 2017/11 12
S M T W T F S
1 4
5 7 8 10
12 13 14 15
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

Search

カウンター

Copyright © diskunion Shinjuku Classic-Kan All Rights Reserved