★猫丸しりいず 第46回

猫丸しりいず 第46回  

◎ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 
サッシャ・ゲッツェル指揮  
ボルサン・イスタンブール・フィルハーモニー管弦楽団
(ONYX ONYX4048)  
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◎ウェーバー:劇付随音楽「トゥーランドット」(抜粋) 
ジョン・ジョージアディス指揮 
クイーンズランド・フィルハーモニー管弦楽団
(NAXOS 8550928)    
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ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」をはじめ、
クラシック音楽の世界には「○○の主題による××」というタイトルの作品が非常に多い。  

ただ、元ネタとなった曲「○○」と、それを素材として出来た曲「××」の双方が有名、
という例は意外に少ないようだ。「ハイドンの主題による変奏曲」にしても、
元ネタとなったハイドンの曲を聴いた事のある方は、非常に少ないのではないか。    

ヒンデミットの代表作&人気作の「ウェーバーの主題による交響的変容」にしても、
事情は同じ。この曲も、「魔弾の射手」「オベロン」といった、
お馴染みの曲が「変容」している訳ではなく、4手のためのピアノ作品などの、
一般的にはホトンド知られていない曲が素材となっている。    

この曲で最も強烈な印象を残すのが、
「トゥーランドット・スケルツォ」とも呼ばれる第2楽章。
東洋的な雰囲気を持った不思議なテーマが何度も反復されたり、
ジャズ風に展開されたり・・というこのインパクト充分な楽章、
ウェーバーの劇付随音楽「トゥーランドット」の序曲や行進曲が元ネタである・・
という解説は、どんなCDのライナーにも書いてあるものの、
その原曲を聴く事は意外に難しい。    

数多く出ているウェーバーの「序曲集」からも、
この曲は見事に抜け落ちており、私の知る限り入手可能な音源は、
このオーストラリアはブリスベンのオケによるNAXOS盤のみである。
戯曲「トゥーランドット」を素材とした音楽としては、
何と言ってもプッチーニのオペラが突出して有名だが、
他にもウェーバーやブゾーニといった有名どころをはじめ、多数の作品があるらしい。

それらの中でもウェーバーの曲は最も先輩格で、
ジャン=ジャック・ルソーの「音楽辞典」の譜例の「中国の歌」から旋律を引用したとの事。
これは興味津々だ。早速「序曲」を聴いてみると・・・  
 
開始早々、フルートでお馴染みのテーマが登場・・・って、アレ?
何か微妙に違うぞ?ヒンデミットのメロディと・・・  
 
聴いてすぐに気付く事は、ウェーバーの原曲はバリバリに「中国風そのもの」である事。
ヒンデミットは、原曲の旋律の音階を若干アレンジし、
「いかにも中国」的要素をかなり薄めている事がわかったのである。

それにしても、プッチーニより100年以上も前に、
ここまでコテコテな「中国風楽曲」を遺していたとはウェーバーさん侮りがたい。
「交響的変容」が好きな方には、是非この原曲も「試食」して頂きたい。  

さてこの「交響的変容」には数多くの録音があるのだが、
オケの機能美が堪能出来るコリン・デイヴィス指揮バイエルン放送響の盤(フィリップス)が、
個人的にはベストと思う。しかしこの盤、長期にわたって廃盤のままなのは残念至極。    

そこで、最近出た注目盤を今回ご紹介。珍しくもトルコのオケによる演奏である。
首都アンカラやイズミールのオケのCDは見かけた事があるが、
イスタンブールのオケとは尚珍しい(初めてのワールドワイドなリリースとの事)。

あのこの上なく魅惑的な街にオーケストラがあったとは知らなかったが、
トルコの大企業、ボルサン・ホールディングスによって設立された楽団との事。
指揮者のゲッツェルはライナーノーツの情報によれば、
オーストリアの若手指揮者で、ヨルマ・パヌラの弟子。

N響、東京フィル、名古屋フィルにも客演した事があるそうだ。    
このCD、「交響的変容」の他、「シバの女王ベルキス」「サロメの悲劇」という
「高カロリー&特濃」な曲ばかり
集めた大胆不敵なカップリング。

このオーケストラ、多少粗いところはあるものの、なかなかウマイ。
十分にパワフルでありながら、「勢い任せ」という感が無く、
指揮者がキッチリ響きをコントロールしているのが伝わってくるのも好感が持てる。
オケにとってなかなかの難物の「サロメの悲劇」も見事に料理!

また、「アヤ・ソフィア」のような広い空間で録ったのか、
録音が非常に素晴らしいのである。
ライナーの記載を読むと、なんと録音エンジニアはマイク・ハッチ!
「道理で・・」とうなづける出来栄え。 
このコンビによる録音が今後も出るのかは分からないが、
個人的には是非「続編」を聴きたい要注目コンビの登場である。
これからの時代、アジアのオケが熱い!!

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