★猫丸しりいず 第48回

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 ●猫丸しりいず第48回
 
◎ヒンデミット:朝7時に湯治場の二流楽団によって初見で演奏された
         「さまよえるオランダ人」序曲
 
  ライプツィヒ弦楽四重奏団
   (独MDG 307 1362-2 「アンコールス」)※ジャケット左
 
◎ジョリヴェ:2台のピアノのための「パチンコ」
 
 ジョワ&ロバン=ボノー(P)
 (国内ERATO WPCS4793~4 「フランス近代ピアノ・デュオ作品集2」)
 ※旧規格/現役盤はWPCS11008~9/ジャケット右
 
 人間、生きていると色々と辛い事にもぶつかるもの。
そこで、人生の「バランス」をとるためにも不可欠なのが「ユーモア」や「笑い」。
今回は、思わず笑いを誘う珍曲2作をご紹介。
 
 まずは個人的にはヒンデミットの「裏?大傑作」と信ずる作品。
何てったってタイトルが最高である。「朝7時に」「初見で」と、妙な所にこだわっているのが微笑ましい。
弦楽四重奏のための7分半程の小品である。
 
 曲の内容について詳述してしまうと、実際に聴いた時の「可笑しさ」が半減してしまうので遠慮しておくが、
ワーグナーの原曲を熟知している方が聴けば、悶絶&抱腹絶倒必至の大怪作とだけは申し上げておきたい
(実際私、何度この曲を聴いても思わず吹き出してしまう)。
「オランダ人序曲」というワーグナーの傑作の中でも飛びきり「オオゲサ度」が高い作品をネタにしている点も誠に秀逸だ。
 
 しかしこの曲、演奏する側にとって超難曲なのは間違いない。
妙な言い方だが「計算された下手糞」というのは「本当に下手糞」な演奏家には再現できないのだなと感心させられる作品でもある。
現代ドイツの弦楽四重奏のエース、ライプツィヒSQの演奏は、その点文句なしの素晴らしさ。
ちなみにこの「アンコールス」というCD、弦楽四重奏の小品ばかりを集めた、実にユニーク且つ楽しい1枚である。
 
 お次はアンドレ・ジョリヴェ(1905~1974)。この人、一昔前はメシアンと並びフランスの現代音楽を代表する存在だったのだが、
最近は何だか影が薄い(ように思われる)。この作曲家のファンとしては残念である。
代表作のピアノ協奏曲「赤道コンチェルト」をはじめ、様々なスタイルで「自分の書きたいように書く」という感じの彼の作品は、
良くも悪くも「気どり」が無く、個性的。アカデミックなブーレーズとは犬猿の仲だったようで、それも何となくわかる気がする。
 
 そのジョリヴェ大先生。来日した時に、日本の「パチンコ」にすっかりハマってしまった。日本での滞在中、暇さえあれば
パチンコばかりやってた・・という信じ難いエピソードもある。今のパチンコ屋と違って、恐らくは「軍艦マーチ流れる古き良き時代の
パチンコ屋」だったのだろうが、それにしてもパチンコに熱中している大作曲家って一体・・・。
 
 オマケにその「パチンコ」がネタの作品まであるところが実にジョリヴェらしい。ただ、作曲者によれば、この曲は最初から「パチンコ」を念頭に作曲した作品では無く、出来上がった作品の曲想が「パチンコ」を想起させたので、このタイトルにした・・という事なのだが、本当かいな・・・。
 
わずか2分程の小曲で、聴いてパチンコをイメージできるかどうかは聴き手次第・・・という感じのあっけない作品ではある。それにしても、外国人ピアニストには、日本独自のアソビであるパチンコを知っている人はほとんどいないと思われるのだが、
演奏にあたってイメージが湧くんだろうか・・と、要らぬ心配をしてしまう。
パチンコ愛好家の皆様の感想をお聴きしたい珍曲である。
 
今回のヒンデミットの曲を聴いて、つい思い出すのが以前この連載でとりあげた「8時だヨ!全員集合」のDVDの事。
 
そのDVDを見た時に痛感した「真のプロが懸命に取り組まないと、人を笑わす芸は出来ない」という事を、改めて認識させられる作品&演奏であった。
ウ~ン・・・ ギャグの道は険しい。
 
今回のご教訓 「お笑いは一日にして成らず」
 
 

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