猫丸しりいず 第49回

猫丸しりいず 第49回  

クーラウ:「妖精の丘」序曲 
シューベルト:交響曲第8番「未完成」 他  
デンマーク国王フレゼリク9世指揮 
デンマーク王立管弦楽団(独DOCUMENTS 223548 10枚組) 
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今回は、畏れ多くも「国王陛下指揮による演奏」という大珍盤をご紹介したい。  

世界最古の歴史を誇るオーケストラの一つ、
デンマーク王立管のヒストリカル録音を集めたBOXがある。

この手のBOXへの第1の関心は、
当然「どんな指揮者が登場しているか」という点。
早速チェックすると、
クレンペラーやマルコといったお馴染みの巨匠や、
エギスト・タンゴ、ヨハン・ヒーエ・クヌッセン、
ピエリーノ・ガンバ等々のマニア感涙の指揮者たちに混じって、
ポツリと「国王フレゼリク9世」の名前が・・・

思わず

「何だって!?」

と、志村けん風に声を上げそうになってしまった。  

フレゼリク9世(1899~1972)は、
現デンマーク国王(女王)のマルグレーテ2世の父で、
在位25年の長きに渡り、国民的な人気も非常に高かった王様との事。

正確な録音データの記載が無いが、
恐らく1950年前後の録音と推測されるので、
即位後まだあまり年月が経っていない頃の録音と思われる。  

「特技をもった王様」と言えば、
即座に頭に浮かぶのが中東のヨルダンのフセイン前国王。

この王様、大変な飛行機マニアとして知られた人で、
来日の際、ヨルダン航空の特別機の大型旅客機(確かトライスター)を
何と自分で操縦して来たという、乗り物マニアには有名な逸話がある。
「パイロットの王様」がいるのなら、「指揮者の王様」がいても不思議では無い。
しかしこの録音、ちょっとした小曲を指揮してお茶を濁した
「ナンチャッテ指揮者」みたいな軽いノリではない。  
クーラウやロンビといった「お国もの」で始まり、最後は「未完成」でシメる、
という実に本格的なプログラム。  

「王様、本気ですね」とちょっかいを入れたくなるような気合の入り方だ。  
王様には誠に失敬ながら、単なる興味本位で聴き始めたのだが・・・・  

オオッ! これはッ!! 
素晴らしいじゃないですか!!! 王様!!!!  

ビシッと締まったクーラウ、歌心に溢れたロンビだけでも十分瞠目させられるのだが、
更に素晴らしいのが、実に格調高く、ロマンティックな「未完成」。

プロの指揮者にもなかなかの難物であるこの曲を、
ここまで聴かせるとは並みの腕では無い。  
恐らくこれが現存する唯一の録音なのだろうが、
他の曲もつい聴きたくなってしまった程である。ニールセンの「アラディン」とか、
ブラームスの「二重協奏曲」とかを振らせたら、相当イケそうですよ。
イヤ~、恐れ入りました、王様!  

ところでこのBOXセット、1907~1954年の古い音源を集めたものだが、
音は意外に聴きやすい。北欧ものの珍曲が多く入っているのも嬉しいポイント。
ランゲ=ミュラーの「昔むかし」、エンナの「マッチ売りの少女序曲」といった知られざる名曲をはじめ、
デンマークのマイナー作曲家、リスエアやタープ
(私もこのセットで初めて知った)の曲が非常に面白い。
あまりにマニアックな内容ゆえ、どなたにでもおススメという訳には行かないが、
激安であるし、私のような珍品好きの方は入手されても損はない・・・と思う。


diskunion新宿classic 猫丸

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