猫丸しりいず 第50回

◎猫丸しりいず 第50回  

★イッポリトフ=イワーノフ:シューベルトの生涯からのエピソード  
 
 ヨハノス指揮 スロヴァキア放送交響楽団 ドヴォルスキー(T)   
(独MARCO POLO 8223629)  
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別にご本人から依頼された訳ではないのだが、
最近「シューベルトネタ」が多い、当「猫丸しりいず」。

今回は意外性に満ちた「シューベルト系楽曲」をご紹介。    

ミハイル・イッポリトフ=イワーノフ(1859~1935)は
今日ほとんど「酋長の行進」の一発屋扱いされている感もある作曲家。  
しかし、その「酋長の行進」を含む「コーカサスの風景」の2つの組曲や
「トルコの断章」など、ダイナミック且つエキゾチックな彼の作品は、
もっと人気が出てもよい筈。

ハチャトゥリヤンやアミーロフ等々の
「コテコテ&濃厚&異国趣味」系の作曲家がお好きなら、
彼の作品を知らないのは大損と断言したい。  
面白いのは、およそシューベルトとは作曲家としての
ポジショニングが対極と感じられる彼が、
シューベルトを素材とした作品を遺している事。
1920年の作品である。  

この曲は、シューベルトが自身の死の前年にベートーヴェンの葬儀に参列した後、
友人たちと酒場に行って「この連中の中で、
最も早く死ぬ奴に乾杯だ!」と叫んだ・・という
有名なエピソードが題材になっているようだ
(その「最も早く死ぬ奴」が不幸にも
シューベルト本人になってしまった事は言うまでも無かろう)。  

シューベルトの「弦楽五重奏曲」の一部が引用されている他、
曲全体が「疑似シューベルト風」な感じに書かれているのだが、
そんな中でもどことなくエスニックな
イッポリトフ=イワーノフらしい「匂い」が残っているのが、
実にユニークな味わいを醸し出している。  

曲の後半には、シューベルトの死を悼む詩がテノール独唱によって歌われ、
葬送行進曲風な曲想になって終わる。
単に珍しい・・・というだけでなく、なかなかの名曲と言って良い作品だ。  

イッポリトフ=イワーノフは、それなりに名前が知られている割には、
非常に資料の乏しい作曲家である。
彼とシューベルトの「つながり」や、なぜ60歳を過ぎてからシューベルトを素材とした
ユニークな作品を書こうと思い立ったのか・・・という、
最も興味の湧く事柄について調べる術が全く無かったのは実に残念。  

ところで、「イッポリトフ=イワーノフ」という長たらしい姓についてだが、
実は彼の「本名」は、ミハイル・イワーノフ。
ただ、この名前はロシアでは「山田太郎」級にありふれた名前であり、
実際、同時期に同姓同名の高名な音楽家がいて、
混同を避けるために「イッポリトフ」という母方の姓をくっつけたのが、
この長い姓という話だ。

この手の話を他にも聞いた事があるけど・・・と思ったら、
往年の名指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットと同じケースであった。  

ついでに、なぜロシア人には同じ名前の人がやたら多いのか。
昔、ロシア語を専攻した友人から聞いた話では、
ロシア正教には宗教のカレンダーがあり、
そこには様々な聖人の記念日が登録されていて、
その記念日に生まれた子供の名前を、該当する聖人の名前に決める・・・
という昔からの習慣があるとの事。

結果、同じ名前の人がたくさん・・・という事になっているようだ。  

国の数だけ習慣あり。世界は広い・・・・


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