猫丸しりいず第57回

★猫丸しりいず第57回  

◎陳鋼/何占豪:ヴァイオリン協奏曲『梁山伯と祝英台』  
シャハム(Vn) シュイ指揮 シンガポール交響楽団(米CANARY CLASSICS CC04)  

◎「アリラン」~ピアノでつづる哀愁のコリアン・メロディー~ 
梁成花(リャン・ソンファ)(P)(及川音楽事務所/BELTA   YZBL1016)  

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以前この連載で、「日本のメロディを丸のまま取り入れたクラシック作品」というテーマのもと、
ホルストの「日本組曲」をとりあげたが、その手の楽曲の中国・韓国版を今回はご紹介。  

中国に関しては、ラン・ランの弾くCDも出ている「黄河の協奏曲」も有名だけど、
何といっても「梁山伯と祝英台」でキマリではないだろうか。  

この曲は2人の作曲者の合作だが、
作曲当時2人はまだ上海音楽院の学生だったとの事。
1959年の初演なので、もう50年以上前の作品である。  
タイトルの「梁山伯と祝英台」だが、中国では有名な悲恋物語で、
これまで数々の映画、テレビドラマ、アニメ等の素材になっている(らしい)。

英語だと「バタフライ・ラヴァーズ」という題名になっている通り、
身分の違いから現世で結ばれる事の叶わなかった恋人同士が、
あの世で蝶になって思いを遂げる・・・というストーリー。  

「黄河」と共に、旧ソ連の「社会主義リアリズム」の中国版・・という感じのこの曲。
とにかく聴いて恐らく100人中99人の方が即座に「中国」を連想出来るであろう、
この上なくコテコテに中華風の曲である。

中国には二胡をはじめとして「弓で弾く弦楽器」の伝統が古くからあるので、
ヴァイオリンという西洋の楽器を用いても何ら違和感が無いのであろう。  

あまりに直球すぎる「中華風味」が、ハッキリと好き嫌いを別けてしまう曲ではあろうが、
気に入ればもう「病みつき」になる濃い曲である。
DGとの契約を切られたギル・シャハムが確か自身で立ち上げたレーベルから出した録音は、
過度に中華風な「くどさ」が薄く、最も万人向け。

ラン・シュイ指揮のシンガポール響(BI Sへの録音でもお馴染み)も、
相変わらず良い仕事をしている。  

お次は韓国。

20世紀を代表する作曲家の一人ユン・イサンや、チョン姉弟、
スミ・ジョー等々の世界的な名演奏家を輩出しているこの国。
演歌をはじめ、韓国の楽曲は古くから日本でも親しまれている。

しかし、韓国・朝鮮のメロディをストレートにとりあげたクラシック的楽曲探しは、
かなり難航した(ソウルのKBS響の来日公演で、
その手の「韓国風小山清茂」みたいな曲を聴いた事もあるので、
いろいろ作品、音源はあるとは思うのだが)。  

そんな中、偶然出会ったのがご紹介の「アリラン」。
朝鮮半島の人々の「心の歌」とも言える「アリラン」をはじめ、
韓国の伝統的な楽曲をクラシックなスタイルのピアノ曲に編曲した作品を集めた1枚である。  

単なる興味本位で入手したのだが、聴いてみるとこれが実に素晴らしくて、
一発でハマッてしまった。中国よりはかなり日本に近いが、
日本の旋律とはまた一味違う美しさや哀しさに溢れる韓国メロディ。
弦楽器ほどの濃い表情付けが出来ないピアノの曲にアレンジした事も、
かえって素材の持ち味を生かす結果となった。

休日の昼下がりとかにボンヤリ聴いていると、とても心が和む1枚である。  
ちなみに弾いているリャン・ソンファさん、
浦和に生まれ育った在日コリアンのピアニストとの事。
何だか教育テレビの「うたのおねえさん」みたいな風貌だけど、
実は2児のお母さんだそうで、母親が子供に語って聞かせるような暖かい演奏を展開している。
パリのエコール・ノルマルに留学体験もあるそうで、
技術的にもしっかりしており、スタンダードなクラシック音楽作品の演奏も聴いてみたいと思わせる。

シューベルトの「即興曲」とか、ペッタション=べリエルの「フレセの花」あたりを是非・・・  

今回とりあげた中国、韓国以外にもまだいろいろある「ご当地系」楽曲。
今後も機会があればとりあげていきたいのだが、

果たしてそのチャンスはあるか?  

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