猫丸しりいず第75回

 ◎シベリウス:交響曲第1~4番
 アンソニー・コリンズ指揮 ロンドン交響楽団
(豪DECCA/ELOQUENCE 4429490 2枚組)
 
◎シベリウス:交響曲第2番・第5番
 タウノ・ハンニカイネン指揮 シンフォニア・オブ・ロンドン
(蘭EMI/SERAPHIM 724356913424 2枚組)
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齢をとると「好み」が変化する・・・とは、よく食べ物に関して言われる事だが、音楽とか演奏に対する嗜好にもそれは当てはまるように思う。
 
私はと言うと、若い頃は相当聴いたのに、そう言えば最近サッパリ聴かなくなったな、と感ずる曲が幾つかある(「惑星」とか「フィンランディア」とかはその典型)。
別に嫌いになった訳では無いが、あまり積極的に聴きたいと思わなくなってしまったという事だ。
 
一番「わかりやすい」例がシベリウスの交響曲。
若い頃は専ら1番&2番オンリーで、3番以降の5曲は何を言いたいのかサッパリわからず、敬遠していた
(これは私だけではなく、多くの方に当てはまるのではないか)。
ところが今では、4番とか7番に何とも言えない凄さを感じ、逆に1番や2番からは随分遠ざかってしまった。
2番は今でも時折聴くけれども、バーンスタイン&ウィーン・フィルやカラヤン&ベルリン・フィルに代表される「濃厚&オーバーアクション系」の演奏は、
最早カラダが受け付けなくなってしまった(耳が「揚げ物を大量に食べた後の胸焼け」の如き状態になってしまう)。
じゃあ、今はどんな演奏が好みなのか・・・と訊かれたら、「ハイこれですよ」とご紹介出来るのが今回ご紹介の2組である。
 
1組目のコリンズ盤は1952~1954年の録音で、昔からモノラル期の代表的名盤として知られるもの。
高校生の時に近所の友人宅にこのレコードがあり、そこで初めて聴いたのだが、当時はその演奏があまりに素朴でぶっきら棒に思えてピンと来ず、
友人と「何だよコレ」と顔を見合わせてしまった。
そこへ彼のお父さんが出て来て我々の顔を見てニマッと笑い、「この演奏の良さがわかるのはオトナだけだぜ」と勝ち誇ったように言った事をよく覚えている。
このELOQUENCE盤が出た時に、約30年ぶりに聴き直して「こんな名演だったのか!」と驚嘆した。何と男っぽい、媚びの無い、力強い演奏だろうか。
そして即座に友人のお父さんのあのコトバを想い出した。
多分あの時のお父さんと、今の私はほぼ同年代だろう。私も「違いのわかるオトナ」になれたんだろうか?? 嬉しいぞ♪
 
ちなみに指揮者のコリンズ(1893~1963)はベームと同年代で、ほぼこのシベリウスの録音だけで知られている人だが、
他にディーリアスやウォルトンなどのイギリス音楽にも優れた録音を遺しており、そちらももっと聴かれてほしい。
 
もう1組のハンニカイネン(1896~1968)盤は、レコード時代はかなり親しまれた録音だったが、今や全く埋没してしまった感があるのが残念。
1959年のステレオ録音で、これまた荒削りで素朴ながら迫力も充分。聴いた後に心地よい満腹感が味わえる名演奏だ。オーケストラが謎の団体だが、
映画音楽が中心レパートリーのスタジオ・オーケストラらしい。かなりB級な響きがするが、この演奏に関してはそれはマイナスにはなっていない気がする。
このフィンランドの名匠には他に「タピオラ」や、トッシー・スピヴァコフスキーと共演した「ヴァイオリン協奏曲」などのシベリウスの名録音があるが、
現在は入手困難な模様。復活熱望!

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