猫丸しりいず第86回


◎ビゼー:小組曲「子供の遊び」 
 
ジャン・マルティノン指揮 パリ音楽院管弦楽団
(国内DECCA UCCD7079)
27fda526.JPG
「日本の生んだ国際的スーパースター」と言うと、貴方は誰を想像するだろうか。
 
私はアジアの国々が大好きで、これまで様々な国に出かけた。その結果として「全世界的」にはどうだかわからないが、
少なくともアジア圏内においての日本生まれの最大のスターは彼だ!と確信出来るようになった人(?)がいる。
 
彼の名前は「ドラえもん」。
 
 香港、台湾、韓国といった東アジアはもちろんの事、タイ、インドネシア、マレーシア、更にはインド、バングラデシュに
至るまで、アジアの主要国で「ドラえもん」をテレビ放映していない国は無いのではないかと思えるほどの大人気である。
各国での放映は吹き替えヴァージョンなので、中国語、タイ語、ベンガル語等々いろいろな言語を駆使するドラえもんや
のび太たちを各国で見て来た。
 
それにしても、民族も文化も宗教も歴史も様々なこれらの地域で、同じように子供たちに大人気というのは本当に凄い。
もともと「世界進出」を狙って作られた作品では(多分)無く、コテコテに日本ドメスティック仕様に思えるこの作品が
なぜ海外でもウケるのかが不思議で、韓国やタイやインドで現地の方(日本語ガイドさん等)にこの疑問をぶつけた事がある。たまたま皆子供がいる人たちだったのだけど、「ドラえもんですか。ウチの子も大好きでテレビにかじりついて見ています」と異口同音のコメントを述べ、更に驚くべきことに私の疑問にこれまた異口同音の答えを返したのである。
 
その答えは「確かに舞台設定は日本だけど、見ている子供たちはその事をほとんど意識していない。多分ストーリーの中で描かれている、のび太の悩みや彼を取り巻く友人たちとの人間関係や友情等はたとえ国や文化が違っても同じ子供としてわかりあえるんでしょうね」というもの。これには私も「ウ~ン、なるほどね」とナットクしてしまった。民族、文化は違えども、子供たちのコミュニティには「のび太的コンプレックス」や「ジャイアンやしずかちゃん的なポジショニングの子」みたいなものが共通して存在するという事らしい。そして、そうした「子供の社会」の中で登場人物たちが様々な経験を重ね、互いに成長していく姿を自分達にも重ね合わせて共感しているのではないだろか。
 
便利な道具を手にした主人公が、それを制御出来なくなって大失敗するというストーリー展開も、いろんな地域に類似の民話等があって(そういえば「魔法使いの弟子」もその手の話だ)親しみやすいのだろう。
表面上の違いはいろいろあっても「子供の世界」は深いところで万国共通なのかもしれない。
 
さて、「子供の世界」を描いたクラシックの名曲と言えば「子供の情景」「子供の領分」が二大巨頭であろうが、
今回は私の大好きな「子供の遊び」をご紹介。
ビゼーの作品の中では非常に地味な存在に甘んじているのが惜しいこの名曲。もともとは12曲から成るピアノ連弾用の作品
として生まれたが、ビゼー自身がその中から5曲を選んで管弦楽曲編曲したもの。
 
この曲は案外難曲だと思う。響きが重たかったり、生真面目すぎたり・・という演奏では、曲の持ち味が生きない。
私の好きな演奏はハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管によるフィリップス盤と、今回ご紹介のマルティノン盤。ホイップクリームのような「ふわっ」とした感じが絶妙な前者に対し、マルティノン盤は管楽器をはじめ、オケの音色が実に華やかで美しく、聴いているとウキウキしてくる。LP時代のものを復活させた粋なジャケットも良いし、カップリングされた他の曲も「歴史的名演」の「ル・シッドのバレエ音楽」をはじめ、実に素晴らしい。カラッと晴れた昼下がりにワインでも片手に楽しむには最高の1枚ですよ。お試しあれ。


diskunion 新宿 classic  アンナ・ネコレプコ

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