猫丸しりいず第96回

◎リスト:交響詩「タッソー、悲劇と勝利」「レ・プレリュード」「フン族の戦い」他
 
 サー・ゲオルク・ショルティ指揮 パリ管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 ズービン・メータ指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
(国内LONDON POCL3745~6 旧規格/廃盤)
 
◎リスト:ハンガリー狂詩曲第1番~第6番(管弦楽版)
 
 アナトール・フィストゥラーリ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
(国内コロムビア/VANGUARD COCQ83881)

 
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今年2011年は、リストの生誕200年。しかし、今年も既に半分以上過ぎているというのに
一向に盛り上がっている気配無し。昨年のショパンと比べるのは酷としても、リストってそんなに人気が無いのだろうか。
 
 リスト(1811~1886)という人は、その抜群の知名度の割に何かイメージのつかみづらい作曲家ではある。ピアノのヴィルトゥオーゾであり、サロンの寵児であり、交響詩の生みの親であり・・・といった調子に様々な「顔」が混在している。しかも、ピアノ曲にしても管弦楽曲にしても、どこか晦渋なテイストがあり、万人に親しみやすい作品が意外に少ない。
また、人気ピアニストとしてのド派手なキャリアがどこかこの人に「パガニーニ的うさん臭さ」を漂わせ、どうも軽く扱われているようにも思う。しかし、リストの作曲家としての先駆的な功績は、もっと正当に評価されても良いのではないか。
 
私が中学生の時、音楽の授業でリストの「レ・プレリュード」がとりあげられた。その際の授業や教科書では「リストは交響詩を生み出した人」という側面がナゼかやたら強調されていた。「モルダウ」や「禿山の一夜」といった「後輩の交響詩」も授業で聴いていたので、それとの関連もあったのかも知れない。確かに「交響詩」というジャンルを確立した事はリストの大変な功績である事は間違いない。
 
にもかかわらず、13曲もある彼の交響詩はお世辞にも人気作とは言えない。かつては人気があった「レ・プレリュード」の最近の没落ぶりも哀れだ。確かに後輩のスメタナやR・シュトラウスの交響詩に比べ、リストのそれは題材も、音楽運びも「わかりやすい」とは言い難いし、何よりパイオニアの宿命として「交響詩という楽曲をどういう形に育てていくか」という点での暗中模索みたいなものが感じられる事が、ポピュラーな人気を今日まで獲得出来ていない大きな原因のように思われる。しかし、優れた演奏で聴けば、彼の交響詩が実は結構面白いのだ、という事実に気付くであろう。そこでおススメなのが、ショルティとメータの指揮で主要8曲を収めたDECCA盤。
 
実にアグレッシブでメリハリクッキリ!という感じのショルティと、聴かせ上手なメータの指揮、DECCAの鮮やかな録音はリストの交響詩にまとわりつく「とっつき辛さ」をフッ飛ばし、実に面白く聴かせてくれる。ショルティがカラヤンとバレンボイムの間を繋ぐパリ管の音楽監督を務めていた事は、ほとんど無視されている感もあるが、このコンビの唯一の録音(タッソー他の3曲)としても誠に貴重な音源。またメータ&ロス・フィルによる「フン族の戦い」では、テューバの妙技に拍手喝采(1971年録音なので、ひょっとしたら名手ロジャー・ボボの演奏か?)。
 
もう一枚は、これまた最近全く影が薄くなってしまったオケ版の「ハンガリー狂詩曲」。エルガーの「威風堂々」同様、この曲も「2番」だけがやたらと有名だが、他の5曲も実はなかなか面白いのに聴かれる機会が少ないのは惜しい。ちなみにもともとのピアノ曲は19曲から成るが、管弦楽に編曲された6曲とはナンバリングがオリジナルのピアノ版と全く合っていないため、いろいろと混乱を巻き起こしている。
 
ご紹介の1枚は、私の敬愛する名匠フィストゥラーリの貴重な音源。1958年の録音で、「基本的にはエレガントだが、ここ!という箇所で突如音楽が沸騰気味にアツくなる」という、この人の持ち味が充分味わえる上に、オケの妙に田舎くさい響きが独特の魅力を放つ逸品。
 
さて今年も残り4カ月弱。このまま地味に終わってしまうのか?「リスト・イヤー」。
それとも最後に一発「逆転ホームラン」が出るのか?
起て! 万国のリスト好き諸兄!!


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